世界経済後退と日本経済 2008年9月
日本中、不景気の話があらゆる新聞やテレビ或いは要人のコメントにあふれて、又世界的にも資源高騰とサブプライムによる金融不安を理由に景気後退が叫ばれている。テレビ、インターネットにケータイと新しい情報伝達手段が新聞、雑誌に加えて普及し、皮相的なニュース、情報の入手と出会いが広く、速くなって、より一層ひとつの方向への認識(ときに錯覚)がスパイラルに世界や日本をおおっている。
特に、グローバルスタンダードと称して「時価評価会計」を論理的矛盾を含んだまま拙速に採用したことが、今回のスパイラル現象を加速させたといえる。
まことに心配かつ「もったいない」状態である。
経済の本質とは何か。我々は、それは無から有(有益、有意義)を即ち経済的付帯価値を創り出すことではないかと理解している。経営者は利益追求を目的とする民間企業にあって(数字を通して)常に無から有を創り出したか、即ち新しい技術やサービス、製品を作り出したか、或いはその生産性や附加価値を高めたかを
「数字」で明確に問われ、評価と責任がはっきりする。
一方、政治家や官僚はときに経営者より重い責任と強い権限を有しているのである。よって、政治家や官僚は、よりよい経済を実現する為に、経済・金融政策の立案・遂行において、ここはひと働きしてもらう必要がある。
特に、わが国における内需の停滞と輸出頼みは、既に何年も前から明らかであり、いまや、他力本願は通じず自力本願の内需中心の良き経済政策の推進と継続性を確保することが渇望されている。現状の経済、金融情勢は世界的に明らかに行き過ぎた不安心理と旧態依然の金融システムのなせるものである。
要は「気分」であり「金融システムの再構築の必要性」である。今は世界の政治権力者に一斉にプラス方向への施策をおこなってもらわねばならない。特に金融不安解消に其々の国家が責任をもって断固たる措置を行うとともに、其々の内需拡大を小手先の施策だけでなく、国家Visionをもって戦略的注力策を同時に打ち出すことが特に重要である。
「気分」が変われば、人間の本性としての積極的行動心理が自然と行き過ぎを解消する。さらに各国が其々の「戦略的施策」を進めると同時に、協調して世界的金融システムの再構築を進めるならば、金融不安の解消と世界経済の回復と正常化は間違いなく実現する。正に政治の出番である。
(中西 一之)







